宮沢和史 スペシャルインタビュー
 

宮沢和史01
宮沢和史 プロフィール
THE BOOMのボーカリストとして1989年にデビュー。これまでにTHE BOOMとしてアルバムを11枚、宮沢和史ソロでアルバムを4枚、リリース。

作家としても小泉今日子、矢野顕子、喜納昌吉、川村結花、友部正人、夏川りみ、MISIA、SMAP、中島美嘉岡田准一(V6)など、多くのミュージシャンに歌詞、曲を提供。

'06年にバンド「GANGA ZUMBA」(ガンガ・ズンバ)を結成。’08年4月9日に1stシングル「シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンパ〜」をリリース。
「日伯交流年」の今年、7月にブラジル国内を回るライブツアーを予定している。

スペシャルインタビュー
音楽を創る難しさを知りつつ、逆に音楽の素晴らしさを再認識しているといった感じです

― 音楽活動19年目ということですが、そもそものデビューのきっかけは?

もともとは道ばた(原宿のホコ天)で歌っていたところに声をかけてもらったのがプロになるきっかけでした。路上で毎週1回、4ステージやりながら、ライブハウスにも出演していたんです。だんだんお客さんが増えてきて、自主的にマネージャー的なことをやってくれる人も現れたり。
そのうちに東京のコンサート・プロモート会社の方の目にとまって、その方がいろいろな人に紹介して下さいました。その中にCBSソニー(当時)の方がいらっしゃって、そこのオーディションで優勝したのがきっかけです。

― ミュージシャンを目指していた頃と、今とで心情の変化というものはどう いったものですか?

音楽を創る難しさを感じるようになりました。今の方が昔よりも難しく感じます。若かった頃はその難しさがよく分からなかったからこそ、大胆な曲作りが出来ていたように思うのですが、プロになってから発表した曲も200曲を超えてくると、自分の型みたいなものがだんだん出来てきて。自分自身もそれに慣れてきてしまいがちなんですよね。でもそれじゃあ、聴く方も創る方もつまらないじゃないですか。19年間やってきて、更に新しい何かを見つけ出さないといけないので、そういった音楽の難しさを知りつつ、逆に音楽の素晴らしさを再認識しているといった感じですね。ようやくわかってきたなぁという感じです。

― 日本国内だけではなく、海外でも積極的に活動を行われていますが、 そもそものきっかけを教えていただけますか?

宮沢和史02 きっかけはいくつかあるんですけれど、デビュー (’89年)してから休みなく活動していたので、ちょっと疲れてしまった時期があって、’92年に「ちょっとバンド活動を休ませて欲しい」と事務所に言ったんです。その間に何かそれまでにやったことがないことをやろうと思って。 それで、シンガポールにディック・リーという、作曲や洋服のデザインをしたりしている人がいるんですけど、彼がミュージカルをやるという噂を聞きつけて、僕も身一つで参加しました。僕以外の歌手やダンサーは、シンガポール、マレーシア、香港、フィリピンなどから参加していて、何ヶ月も一緒にアジア各国を公演して廻ったんですが、彼らと家族のような関係になっていくうちに、「この人たちを喜ばせる音楽が創りたいなぁ」と思うようになったんです。

それまでは海外の方を意識して曲作りをすることはなかったんですが、それからですかね、民族や言語、生い立ちなどが違う人たちにも届く音楽を創ったり、その人たちの前でコンサートもやりたいなぁと思うようになったのは。

― 日本人の感性と外国の方の感性というのは 違うものでしたか?

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これは僕の意見ですから正しいかどうかは分かりませんが、日本という国はだいぶ変わった国だと思います。こちらから見て他の国は変わっていると思いがちですけど、逆に外から見ると日本は相当変わっていると思いますね。

GANGA ZUMBAにもブラジル人のメンバーがいて一緒に活動していますが、彼らも来日する度に日本での不思議な発見というのがあるみたいです。 「日本は、いまだに分からないなぁ」って言っていますね。


「島唄」にこめられたものは沖縄の惨劇を知ることで生まれた平和への願い

― 大ヒットしました「島唄」。最近その歌を聞いてまた更にファンになったという方がいますけど、この歌にこめられた想いとはどんなものだったのですか?

「島唄」を書く前、現地に行った際に、太平洋戦争における沖縄で起こった惨劇を初めて知らされたんですね。それまで知らなかった自分自身に対する怒り、また、そういうことを教えてくれなかった教育への怒り。民間人も含め、多くの人を死なせてしまったことを、大人になってから知ったものですから、それを歌に書きたかったんです。


「島唄」というのは一聴するとラブソングですけれど、実は僕の中にはそういう想いがありました。当初はシングルで発売しようとは思っていなかったんです。自分の中でもだいぶ特殊な曲でしたし、その頃はロックバンドが三線(さんしん)を持って歌うなんていうことはあまりなかったことですから。それが、沖縄へお返ししたいという気持ちから限定でシングル発売したところ、南からじわじわと反響が拡がっていって。 人から人へ伝わって拡がっていったという意味では不思議な曲ですね。発売されてから15年が経ちますが、世代を超えて愛されている曲ですね。

― 「島唄」には平和への願いがこめられているということなのですが、 宮沢さんが思う「平和」のビジョンとはどういうものですか?

国があれば、まず大地がある。でも地球という、本来は一つである惑星の上に国境という線を引いているので、そもそもそれが不自然ですよね。でも線が引かれてしまっている以上は、簡単に国をなくせとも言えない。だとしたら、もっとお互いのことを知らないと。知らないから相手のことが怖いんだろうし、差別しようとするんだろうし、インターネットで繋がって、そういう意味では地球は以前よりも小さくなったのに、あまりにもお互いのことを知らない。それも悲劇かなと思います。


人間という生き物は、もしかしたら、争うことをやめて、傷つけ合うことをやめて、理想の世界を手にした時には退屈になってしまうのかもしれません。でも僕は、それを目指して努力をする過程こそが、「平和」というのではないかと思いますね。 持てる知恵と経験とをフルに活用して、理想の人類というものを目指す姿。到達できるのかどうかも分からないし、不可能に近いのかもしれない。いざ到達してみたら退屈な場所かもしれない。でも、その理想というものを、みんなできちんと決めて、そこに向かう道のりこそが人類の豊かさだし、あるべき姿だと思いますね。 どうすれば人類が平和というものをつかめるのかを、みんなが知るということが大切なんじゃないかと思います。ジョン・レノンの「イマジン」のように、戦争のない世界を一人一人が想像してみる。そうすれば、そこにいけるんですよ、絶対に。

宮沢和史04 ― 宮沢さんのリラックス法はなんですか?

僕は音楽家なので、いい音楽を聴けば元気になります。自分が作った曲でも「いい曲でした!」とか、「宮沢さんの歌から、こんなエピソードが生まれたんです」とか、みなさんからそういった声を聞けるのでモチベーションが保たれるというか。それがなかったら、なかなか続けられないですよ。
気分が沈んだ時は、ブラジルに行って、ものすごく強い日差しと強烈な音楽を聴いて、ケロッとして帰ってきたりもします。東京で悩んでいたことがバカらしくなってしまうんです。リラックスするには、僕の場合は音楽がないとだめなんですけどね。

あとは沖縄に行くとか。沖縄の人たちと笑いながら一緒に飲んだり、三線の音を聴いているうちに元気になって帰ってきたり。僕が普段悩んでいることなんて、どうでもいいことなんでしょうね、きっと。旅に出るとそれを知ることが出来ますね。

宮沢和史05―GANGA ZUMBAのメンバー構成は?

ブラジル人2名、キューバ人1名、アルゼンチン人1名、あとは日本人6名の10人編成です。 もともとは僕がソロワークを行う際のメンバーだったんですけど、ヨーロッパや中南米を彼らと共に何ヶ月もツアーで回って、だんだん家族みたいになっていきました。まさに苦労も喜びも分かち合ってきたので、2年前に正式にバンドにしたいなと思いました。 サッカーは世界共通のルールがありますが、例えばブラジルの人とヨーロッパの人が一緒にサッカーをやったら、やり方に違いを感じるのと同じで、音楽も国によって形式や様式は違います。

そこでぶつかることもあるんですけど、彼らはそういう未知なるものを自分のものにするということに喜びを感じてくれる人たちなので、自然とまとまっていますね。

―今回のGANGA ZUMBAの1stシングル「シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンバ〜」のコンセプトは?

世の中の音楽チャートとかシーンを見ていると、悲しみとか苦しみを癒してくれる音楽がたくさんあるなぁと思うんですよね。音楽にはそういう力があるので、それはいいことなんですが、GANGA ZUMBAは、人を慰めたり、癒すというよりは、どちらかというと起ち上がらせるという感じ(笑)。辛いのも分かるけど、立って歩こうよっていう。
ブラジルの人たちがそうなんですね。くよくよしている暇があったら新しいこと始める感じ。僕はそっちの方がいいなと、健康的だと思うんです。

―歌詞をみるとせつない印象で、でも曲はテンションが上がるような明るい感じに仕上がっていて、そのギャップみたいなものを感じたのですが。

サンバって、そういう音楽なんですよ。ポルトガル語が分からないと楽しい音楽だと思いがちなんですけど、実はものすごい貧しさの中から生まれてきた音楽ですから。 1年のうちの350日以上は辛いけど、カーニバルの一週間だけは自分も光を浴びて主人公になれるっていう。悲しみや苦しみが深い分、喜びの時の輝きの振れ幅が大きいんですよね。
僕もこの曲でそういう部分を表現したいなと思いました。この曲は半分くらいブラジルで録音してきたんですけど、今年は日本人がブラジルに渡ってちょうど100周年という記念の年で、まさに日本とブラジルが一緒に力を合わせて作った曲なので、そういう意味でも今年にふさわしい曲になったと思います。

―宮沢さんは曲を作られたり、演じられたり、歌ったりと表現の幅が幅広いのですが、そのエネルギーはすべて同じの場所から生まれてくるのですか?別の自分ですか?それとも同じ自分なのですか?

同じなんじゃないでしょうか。
僕は人間が大好きだけど、その反面大嫌い。地球上のすべての問題は人間が引き起こしているわけですし。だからこそ僕は、その両方を歌いたいんですね。どちらかだけでは嘘になるし。自分が苦しんだり悩んだりしている原因を作っているのは人間じゃないですか。鳥や木のせいじゃないし。でも人間を信じられるから乗り越えられるっていう。「人間が大好きだけど、人間が大嫌い」。それが僕の正直な気持ちですね。両方の気持ちを歌えたら最高だなって思います。

編集後記

インタビュー風景 世代を超え、世界中の人に愛される曲を作り、そして国籍を超えたメンバーとのバンド活動と、スケールの大きなアーティストなだけあって、そこにいるだけで意思の強い真摯なオーラが宮沢さんのまわりにはあふれていました。言うなれば“サムライスピリット”。男らしさあふれる気骨さ、音楽に対するひたむきな情熱。宮沢さんのまわりにたくさんの人が引力のようにぐいぐいと引き付けられる訳がよくわかる気がしました。

「女性のグッとくるポイントは?」の質問には、それまでの流暢な受け答えとは一転してしばし頬杖をついて考えこまれてしまい、(どうしよう・・・こんな質問をして大丈夫だったかな・・・)と編集部が思っていたところ、以下のようなお応えを頂戴しました。 「女性は女性らしさを演出しますよね。でも女性らしいっていう人より、人間らしく見える人が魅力的ですね。女性らしさでアピールされるよりも男も女も関係ないところの、あぁ人間くさいなぁ・・・ってところで勝負している人がかっこいいなと思います。」

取材中、終始穏やかにお付き合い下さいました宮沢さん、ありがとうございました! 世界に羽ばたくGANGA ZUMBAの快進撃!これから楽しみですね。

取材・エイベックスインタビュールーム

 
 
What's is GANGA ZUMBA
GANGA ZUMBA

THE BOOMの宮沢和史をボーカルに、高野寛、マルコス・スザーノなど、国籍も言語も音楽的バックグラウンドも異なる個性派ミュージシャンたち10人によるバンド。海外でも積極的に活動を行ない、2005年はヨーロッパ、中南米10カ国をツアー。さまざまな要素がミクスチャーされたオリジナルの音楽、グルーヴは各国で高い評価を得ている。2006年春より「GANGA ZUMBA」(ガンガ・ズンバ)というバンド名を発表。8月にミニアルバム『HABATAKE!』でデビュー。2007年8月には宮川剛(ドラム)がGANGA ZUMBAに正式加入し初の全国ツアーを行なった。

メンバーは、宮沢和史(ボーカル)、宮川剛(ドラム)、マルコス・スザーノ(パーカッション)、今福 "HOOK" 健司(パーカッション)、tatsu(ベース)、高野寛(ギター)、フェルナンド・モウラ(キーボード)、土屋玲子(バイオリン・二胡)、ルイス・バジェ(トランペット)、クラウディア大城(ボーカル)、の10人。

GANGA ZUMBA Official Site http://www.gangazumba.jp/

GANGA ZUMBA ファーストシングル発売!「シェゴウ・アレグリア〜歓喜のサンバ〜」
シェゴウ・アレグリア〜歓喜のサンバ〜ジャケットイメージ

GANGA ZUMBAの初のシングルとして発表された「シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンバ〜」。 “CHEGOU ALEGRIA”とはポルトガル語で“歓喜の時がきた”という意味。哀しみを乗り越え、喜びの訪れを謳う、生きる躍動感あふれるエネルギーが1曲にぎゅっとつまったGANGA ZUMBAの魅力を詰め込んだ一枚。ブラジル・リオデジャネイロでレコーディングされた、本場のプレイヤーによる力強いパーカッションも聴きどころ。 またカップリングには、高野寛が手がけた「Under the Sun」、宮沢和史の代表曲をGANGA ZUMBAのメンバーで新たにレコーディングした「kaze ni naritai(GZ ver.)」も収録。

GANGA ZUMBA 1st single
「シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンバ〜」

2008年4月9日(水)発売
FIVE D plus/VFCV-24
1,200円(税込)
収録曲
1. シェゴウ・アレグリア!〜歓喜のサンバ〜
2. Under the Sun
3. kaze ni naritai(GZ ver.)

癒しスポット
GANGA ZUMBAライブインフォメーション

GANGA ZUMBAが、約半年ぶりにライブを決行! 当日ご来場の方にはツアー特典もご用意。

GANGA ZUMBA LIVE
シェゴウ・アレグリア! 〜歓喜のサンバ〜

・4月30日(水) 大阪BIG CAT
開場=18時30分/開演=19時
お問い合わせ=キョードーチケットセンター  06-7732-8888(10時〜19時)

・5月2日(金)ダイアモンドホール (名古屋)
開場=18時/開演=19時
お問い合わせ=サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(前日10時〜18時)

・5月3日(土)SHIBUYA-AX
開場=17時/開演=18時
お問い合わせ=ディスクガレージ03-5436-9600(平日12時〜19時)
チケット=発売中
スタンディング5,800円
(整理番号付・税込)
※東京・SHIBUYA-AX公演は、1Fスタンディング/2F指定ともに5,800円となります。

※来場者全員に“フィッタ ・アレグリア”〜歓喜のリボン〜プレゼント! ※6歳未満は入場できません。

※大阪・BIG CAT公演は、入場時にドリンク代として別途500円が必要になります。

お土産にはこれ!
GANGA ZUMBA Live DVD 好評発売中!
GANGA ZUMBA SUMMER SESSION UM LIVE at SHIBUYA-AX DVDジャケットイメージ

昨年の8〜9月に行なわれた、GANGA ZUMBA初の全国ツアー“GANGA ZUMBA SUMMER SESSION UM”のSHIBUYA-AX公演を収録したGANGA ZUMBA初のライブDVD。会場が一体となり盛り上がる様子は圧巻!
GANGA ZUMBA SUMMER SESSION UM LIVE at SHIBUYA-AX
FIVE D plus/VFBV-00022 4,800円(税込)

お土産にはこれ!
What's is BRASIL 100